祖父の手帳



 10月2日(金) 晴れ

  7時 起床
  8時 かあちゃん来る。朝食。
  9時 点滴。錠剤2錠。
 10時 律子、見舞いに来訪。
 12時 律子、帰宅。昼食。錠剤1錠。
 15時 賢一、見舞いに来訪。
 16時 賢一、帰宅。
 18時 夕食。錠剤2錠。
 19時 点滴。
 20時 かあちゃん帰る。


 この日で祖父の手帳は終わっている。

 翌日、祖父の容態は悪化し、そのまま他界した。

 私の知りたかった祖父を見つけることはできなかった。

 軽い失望を覚え、パラパラと手帳をめくる。

 すると一番最後のページに覚書をみつけた。

 几帳面な字でびっしりと書かれた覚書。

 私は、古い手帳も見てみる。

 気持ちの昂ぶりが抑えられない。

 手帳の山はみるみる崩れていった。

 覚書は、一年また一年と増えていた。



 
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